無音の場所で仕事ができないタチで、いつもは小音量でスムーズジャズを流しています。
どこかで「MUJI BGMをかけると無印で仕事をしてるみたい」と聞いたので、早速Apple Musicから流しています。もう少しボリュームを上げると、オフィス全体が無印に…。でも、無音じゃないと仕事に集中できない人もいるし。そもそも、無印って、仕事する場所じゃないし。
業務内容がだいぶ遠いとはいえ、音楽ギョーカイの端くれにいる者として、「最近音楽を大事にしてないなぁ」と感じていました。配信とか、聞かないことはないのですが、選ばなくなったというか凝らなくなったというか。
それは何でかなと考えてみたら、おそらく購買体験の喪失ではないかと。
今は亡きじーさん、だったかな。いや、じーさんは赤いダブルラジカセで、まだ生きてるにーちゃんだったかな。とにかく、誰かが、わが家にCDラジカセなるものを手に入れて、一番最初に買ったのは、大江千里の『AVEC』でした。
もちろん「CD保護マット」なるものを(慎重に)ケース内部に貼りまして、盤面に指紋をつけた場合は、説明どおりに「柔らかい布で内周から外周に向かって放射状に軽く」ふき取るわけです。
CDを聴きながら、ブックレットを何度も読み返しましたね。多くのブックレットには音楽評論家やコメンテーター、著名人によるライナー(解説書)が付されていました。
大江千里を購入後、時間をおかずに悪魔教へ入信しました。特に『有害』(「これを聴いてはいけない! 君の脳が変になる、恍惚の第七教典。」)のブックレットには、香港で撮影された悪魔たちの豪華カラー写真のほか、聖飢魔Ⅱ研究家による熱いライナーが付されていて、感動で大いにむせび泣いたものです。
それが今じゃ、ぽち、だもんな。
そりゃ大事にしてるとは、言えないよな。
ところで、当社のネットショップでは、所属でないにも関わらず、カテリーナのCDを販売しています。
忘れた頃に1枚、また1枚と売れるのですが、売れるたびに「あぁ、どこかでカテリーナのライブがあったな。頑張って演奏しているなぁ」と思いをはせています。
そして、この記事を書いている後ろで、ワタナベヒロシが「やったぁ、試しにメルカリに出してみたら、ひのき屋の本が1冊売れた」と喜んでいます。ありがとうございます。